No.9 番組でカップル💕誕生!?

 

🎶 遠くの景色

この日のゲストは、
銀座でホステス人気No.1
バーテンダー ・早坂と
そのショットバー〈Shadow〉の
オーナー霧子ママ。

霧子ママはホステス修行時代、
ミス麗子に接客のイロハを
習った親しい仲で、
ミス麗子は時々、
霧子のショットバーへ
顔を見せている。

……………………………………

ミス麗子:霧子ママとは
かれこれ15年の付き合いになるかしら?

霧子ママ:もう、そんなになります?
ドレスの選び方から教えていただいて、
懐かしいですね…。

ミス麗子:話題の早坂君も、ようこそ。
貴方のファンは凄いわね。
真夜中のお店はホステスさんばかりで、
男性のお客様が入れないというじゃない。

霧子ママ:そうなんです。
男性のお客様が
同伴でいらしてもお席がないからって、
苦情が多くて…。
そこが悩みで。

ミス麗子:それはお客様方に
申し訳がないわね。

早坂:霧子ママ、
申し訳ありません(汗)。

霧子ママ:貴方が謝ることはないのよ。
お店としては
利益が出ていますから、
貴方には感謝しているわよ。

ミス麗子:まぁ、早坂君。
そんなに硬くならないで。
大した問題ではないと思うわ。

たとえばだけどさぁ。
水曜までは、
今のままにしておくとして。
花の木曜、金曜に限っては、 
夜中の4時間は
ミッドナイト同伴優先タイムとして、
女性ばかりのファンは
ご遠慮してもらえばいいわよ。

ミッドナイト同伴のお客様を
逃すのはリスクがありすぎ!
もっと早くにそうすべきだったわね。
この新システムを
銀座全店に一斉通知すればいいだけのこと。

霧子ママ:あっ、本当に──!
麗子ママはさすがですね。
クレオパトラなら一分で応えがでることを、
私は一ヶ月も、考えていたのですね。
まだ、まだね。

ミス麗子:そんな、
ガックリこないでいいわ(笑)。
私も、当事者なら、
こうはいかないかもしれないし…。

霧子ママ:お優しい。
クレオパトラの懐は広いですね。
さすが、銀座の顔!
また惚れ直しちゃうじゃないですか!

ミス麗子:私はとびきりのイイ男専門よ。
女は勘弁して ─(笑)。

……………………………

ミス麗子:ところで。
早坂君は、この、
早坂人気をどう見てるわけ?

早坂:いえ、その、さっぱり‥。
女性の方は緊張しちゃうので、
逆にご不快さをお与えしていないか、
冷や冷やしているぐらいですから。

霧子ママ:そういえば、
女性のお客様と
目を合わさないようにしていない?
私にも、そうでしょ?

早坂:えっ、ええ、
自分はイケメンでもないですし、
喋るのも苦手ですから……。

ミス麗子:そうらしいわね‥。
貴方、もしかしたら、
元役者じゃない?

早坂:‥は、はい、
少しかじっただけなんですけど(´;ω;`)。

ミス麗子:え?10年やって、
かじっただけというかしら?(笑)

霧子ママ:早坂君、初耳だわね。
役者さんだったの?
なぜ話してくれなかったのよ?

早坂:‥無名のまま、投げ出していたところ、
霧子ママに拾ってもらって
今の自分があるんです。
でも、ミス麗子は
なぜ自分が元役者だとわかったのですか?

ミス麗子:日本アカデミー賞映画監督が
お得意様でね、
貴方のこと、ご存知でしたよ。

早坂:売れなかったダイコン役者の
自分のことを、ですか?

ミス麗子:スター女優に
惚れた辛さから逃げたと聞いたわ。
そんなに惚れたんだ?
まぁ、素敵!
でも逃げたら、負け。
役者としては、
これからだったのに‥って。

霧子ママ:もうそのスターさんへの想いは
断ち切れたの?

早坂:えっ、あの、そちらの方は‥。

ミス麗子:貴方、銀座の女に惚れたらまずい!
と思って、なるべく目をそらしてきたのでしょ?
図星?

霧子ママ:〔早坂のほうを真剣に見て〕
そうなんだ。

ミス麗子:早坂君、
貴方、霧子ママに惚れているでしょ!

〔早坂は急に固くなり、下を向いてしまった〕

霧子ママ:そんな‥、ないない、それはないわ。
早坂君、私、かなり年上だし、
それはありえないでしょ?
ミス麗子、からかわないでくださいよ‥。

ミス麗子:あら、冷静な貴女がなにテンパってるのよ?
どうやら、貴女も、そうだったの?
お顔にでて、カワイイわ(笑)。

月曜日は、そちらのショットバーは大騒ぎになりそう。
ワクワク ─(笑)。

早坂:ミス麗子、
‥とにかく自分は、
拾ってもらった霧子ママのために
頑張るだけです!
ぜひご指導ください!

ミス麗子:ええ、いいわよ。
プライベートナイトなら、
ご指導させていただくわよぉ ─(笑)。

霧子ママ:早坂君が困ってるじゃないですかぁ‥。
もう、クレオパトラの意地悪!(汗)。

……………………………

ミス麗子の予測通り、
月曜日の〈Shadow〉は大盛況で、
カウンターの中には、
とびきりイケメンのバーテンダーも
ヘルプさせていた。

イケメン好きのホステスの矛先を
変えるためであることは
言うまでもなかった。 

桧のカウンターテーブルには、
ミス麗子から差し入れられた
ショコラが美しかった。

ミス麗子、ビジネスレディーとしても、
商才を見せていた。

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