No.7 天使の音色

月夜の休日🎶

毎日忙しく過ごす企画会議のメンバーに
とって、
しみじみと語るヨナ姫の静かな語りは、
かなり感慨深いものだった。

遠い、見知らぬ星の国から
わざわざ横浜みなとみらい21まで
舞い降りてきたとは…、
幸せになってもらいたい。
全員がそう思っていた。

Dr.なつきは、
ヨナ姫が金井優佳さん奏でる
「🎵月夜の休日」に
救われた気持ちになったことは
チャンスだと考えた。

まずは本人の希望通り、
ヨナ姫を金井優佳さんに引き合わせた。

金井:
「🎵月夜…」をそれほど気に入って
いただけて、光栄ですわ。

ヨナ姫:
カフェラウンジで
ハープ演奏されていたとき、
心に、す~と音色がはいってきました。
それにタイトルがまた素敵ですね。
ハープは心に振動を与えるように
感じましたけれど。

Dr.なつき:
ヨナ姫は感性が素晴らしいですわ。
金井さん、心が弱っていたり、
生きることが辛い方々のために
寄り添い曲を…との目的で
出来上がった曲でしたね。

金井:
ええ、そうなんです。
ハープの音色は、1/f揺らぎで、
α波になりますの。
「天使の音色」と言われています。
ヨナ姫様が奏でられましたら、
まさに、天使の音色そのものになり、
ご自身そのものを癒すことにも
なりますし、
お国の皆様のお気持ちにも
幸せをもたらすのではないでしょうか。

ヨナ姫:
科学的にも魅力がありますね。
聴き終わったとき、
重い気持ちが少し薄れたような、
何か温かなものに包まれているような、
…感じがして。

金井:
おっしゃる通りです。
ハープは昔、芸術の女神によって
星座になった楽器なんです。
ですからハープの音色は星座の中で
天使たちが語りあっていると思って、
お稽古しておりますの。

ヨナ姫:
ますます素敵だこと…。
もしかしたら、
輝くベガの琴座というのは、ハープ座?

金井:
ええ、そうです。
ヨナ姫様には、「治音®」による
音薬効果を期待していますの。

Dr.れい先生やなつき先生の
ご説明ですが。

その方のためのオリジナルな治音®で、
新しい音楽を脳の海馬や側頭葉に
聴かせることによって、
過去の記憶によって呪縛されている
ストレスフルな脳内記憶が弱まり、
新しい脳内記憶の回路を作っていく点が
一大特徴ではないかと、教えていただき、
それ以来、
ハープに夢中になってしまいましたの。

Dr.なつき:
その上、
ハープの音色には人間が聞き取れない
20KHz(キロヘルツ)以上の高周波が
含まれていますの。

この高周波によるヒーリング効果を
「ハイパーソニック・エフェクト」と
呼び、不安を軽くし、脳細胞を活性化
いたします。
ヨナ姫にはリハビリ効果もあると
思います。

ヨナ姫:
〔ヨナ姫、ハープに近づき、
幸せそうな表情を浮かべている〕

…私、
傷が癒えるきっかけになりそうですね。

金井:
ハープは、弾く側も聴く側も、
心の中にキラキラっとした
光が差しこんでくる気持ちに
させられていくような…、
まさにヒーリングの世界が
作られるのも魅力ですし。

ヨナ姫様、いかがでしょうか、
ハープをなさってみられませんか?
ハープの弦、47は、
エンジェルナンバーですよ。
恋を成就させる数字でもあり、
縁起がよろしいかと存じます。

また恋をしたくなるかもしれませんよ…。

〔ヨナ姫は感動の中にいた。
しばらくハープの弦に触れたり、
指を遊ばせたりしながら、
心の緊張をほどいているかのようだった。
ヨナ姫は、心を許せる2人のお友だちに
勇気づけられていた〕

        🐇

ヨナ姫はDr.なつきの音楽心理療法を
受けるかたはら、ハープを習った。
ピアノが弾けるため、
信じられないほどのスピードで、
上達していった。

ある日、治療中にヨナ姫が口を開いた。

ヨナ姫:なつき先生、
企画ミーティングに参加されている
紳士の皆様と、
スコッチをいただきながら、
お話しできないでしょうか?
私に関心をお持ちいただいた方が
いらっしゃったらのお話しですけど…。

Dr.なつき:
そんなお気持ちになられたのですね!
素晴らしいですこと。
実は参加しているホテルマンたちは、
みんな、その機会を希望していると、
ミス花凛から聴かされたばかりですの。

ヨナ姫:
まぁ、光栄ですわ。
幸せです。

Dr.なつき:
どなたか、気になる御方が…?

ヨナ姫:
…いえ、
そういうわけではないのですが…。
皆様、好感のもてる方々です。
それと、
あの…、Dr.れい先生からのご推薦と
いいますか、
お伺いできましたら嬉しいと思いますが。
厚かましいでしょうか…。

Dr.なつき:
この後、先生が見えられますが―。

ヨナ姫:
〔郷愁を誘う眼差しに見えた〕
何だか緊張が…。
れい先生が小さい頃亡くなったお兄様に
似ているようで、
先日のお祭りの時にドキドキして
しまいましたの。

Dr.なつき:
そうですか―。
れい先生にお話しなさるといいですわ。
いっそうヨナ姫に寄り添って
ゆかれますわ、きっと!

ヨナ姫:
………。

そこへDr.れいがやってきた。

No.8へつづく

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