No.1 傷心の恋うさぎ・ヨナ姫、みなとみらい21へ
〔 ティファニラーレ星のプリンセスルーム 〕
大失恋し、恋する心を奪われたヨナ姫は、
恋うさぎとしての能力を失っていた。
一刻も早く恋うさぎに戻り、
多くの男女の恋が結ばれ、
星を背負う子どもたちを
増やさなくてはならなかった。
ヨナ姫は救心の場として、
地球の横浜、
みなとみらい21を選んだ。
侍女たちの調べにより、
恋うさぎと惑星遺伝子が繋がっている
月うさぎと星うさぎが
存在することがわかった。
ヨナ姫は、その月うさぎと星うさぎの中で
恋する心を取り戻すことが
できるだろうか …。
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〔 みなとみらい21地区のとあるホテルにある総支配人室 〕
愛沢なつきと真尋は、総支配人室の大窓から、
世界トライアスロン競技の様子を眺めながら、
ホテルオーナーを待っていた。
藤堂:いい眺めでしょ?
雨で選手たちには気の毒だが…。
やぁ、お待たせしました。藤堂です。
真尋:こちらが、噂の愛沢なつき先生です。
Dr.愛沢:愛沢です。はじめまして。
みなとみらい21は美しい街ですわね。
藤堂:そうですか。
ところで、当ホテルはいかがですかな?
世界のホテル王からも
高い評価をいただきましたね!
Dr.なつき:最高です!
こんな所で診療できるなんて、夢のようです…。
藤堂:それはどうも!
ミスグリーンの空間デザインのおかげですよ。
愛沢、いやなつき先生…は、
Dr.れい先生とミスグリーンのご紹介とか。
ミスグリーンは先生が主治医ですな。
Dr.なつき:
Dr.れい先生はストレス治療の先輩で、
私の知恵蔵ですの。
ミスグリーンは、美意識倶楽部でもご一緒でして…。
お二人からご推薦いただいて…有り難かったです。
そこへ総支配人のマダムベルが登場。
藤堂:来たか。こちらがなつき先生だ。
妹のマダムベル、本名、藤堂美鈴。
ホテル経営一筋のホテルウーマンですよ。
ヨーロッパやアジアの一流ホテルのコンサルティングの
成功でも、今や有名人かな。
マダムベル:お兄様、まだまだですわ。
ドクターなつき、お会いしたかったわ!
マダムベルです。
先生のインターナショナルな人気は凄いですわね。
世界の心療内科医100人にも、
世界の美容内科医1000人にも選ばれてらっしゃる。
真尋:なつき先生はとてもお優しい方なんです。
厄介なストレス問題を抱える方々に
寄り添う月うさぎさん、なんですよねぇ、先生?
藤堂:月うさぎ?
Dr.なつき:言ってみれば、
美しい月夜はクールダウンさせる力があるでしょ?
そんなやわらかな気持ちで、
お話しを聴いて差し上げているだけで──。
お薬はなるべくお出ししないんです。
マダムベル:お兄様、Dr.れい先生と金井優佳さんが
当ホテルのカフェラウンジ曲「月夜の休日🎶」を
おつくりいただいたでしょ?
藤堂:そうだった。
「月夜の休日🎶」、ラウンジ名にしてありましてね。
ラウンジにいるだけで、優しい心になれるね。
メロディーは、まさにわがホテルコンセントサウンドですよ。
金井さんの歌やハープ演奏が愉しみだなぁ。
なつき先生の、クリニックにも流しましょう。
Dr.愛沢:まぁ、有り難いですわ。
私もラウンジで、お茶をいただきたいです!
オーナー、一つの心が出来上がるって、素敵ですね。
藤堂:有難う。何よりのお言葉です。
当ホテルはマダムベルが中心で進めるので、
妹の話し相手にもなってやってくださいよ、先生。
マダ厶ベル:ぜひよろしくね。
Dr.なつき:こちらこそ、
教えていただくことばかりでしょうけど(笑)。
マダムベル:なつき先生にはご利用客の診察はもとより、
ホテルの滞在客の健康管理、
ご利用者を対象にしたgood health講座まで
直接お顔を出していただきたいの。
ぜひ、遺憾なく名医ぶりを発揮してくださいね。
Dr.なつき:はい、承知致しました。
真尋:ところでオーナー、この部屋にいる女性は
全員、「ミスグリーン美意識倶楽部」の正会員ばかりですね。
藤堂:そうだったかな。
真尋:オーナー、このホテル内に、YOKOHAMA美意識倶楽部
を置いてもいいでしょうか?
私が事務局をさせていただきますから。
藤堂:ほ~、そりゃいい。真尋君はいつも積極的だね。
真尋:だって、オーナー、最高に美しいホテルですもの、
広告塔にもなっちゃいますよ(笑)。
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「ザ・プリンセス マリーナガーデン横浜」
横浜みなとみらい21地区に
2023年4月1日に最新型ホテルがお目見えした。
藤堂コンツェルンの総帥、財界総理を狙う藤堂が、
世界的美空間デザイナー:ミスグリーンの全面協力を得た
注目のスタイリッシュなデザインホテルをプロデュースした。
外観は風になびいた白い帆船と波がデザインされ、
内装は各フロアすべて外の光が差し込み、
南のリゾートホテルにきた感覚にさせる工夫がなされていた。
ミスグリーンが世界中のホテルを視察してきた結果の知恵や
アートがいくつも散りばめられており、藤堂自慢の事業に
なっていた。
藤堂は、真尋がマスターとして仰ぐ
スタイリッシュセンスのスペシャリスト、
Dr.れいにホテル名やキャッチコピーを依頼した。
ホテル名は、
「ザ・プリンセス マリーナガーデン横浜」
(通称:プリンセス横浜)
ホテルのキーコンセプトは、
〈癒し、寄り添い、繋がり〉。
ホテルはさまざまな出会いを提供し、
芯からくつろいでもらえる工夫がなされていた。
ホテルには、幾つものウリがあった。
3階シアター「プリンセスシアター」には、
マンハッタン芸能スクールの卒業生たちが
連日ステージを披露していた。
1階カフェラウンジ「月夜の休日🎶」では、
毎週木曜日から土曜日、ピアノハーピスト金井優佳の
美しい調べが流れている。
28階トワイライトバーラウンジ「moonstar」では、
品のいいバニーガール月うさぎがカクテルを運んだり、
お客様とのさりげないお喋りで、寄り添っている。
週末は、三日月ロボットに乗った女性シンガーが、
ジャズやバラードを歌い、ご利用者のカップルの恋の演出を
している。
25階には、
700㎡を超えるウェルネス施設「goodhealth」。
客室には、自然界に存在する1/fゆらぎの音楽、
有機的な照明色彩ナチュラルな素材で作られた家具を採用し、
みなとみらい横浜の街との“繋がり”をイメージする
大きな窓からは、やわらかな自然光やお月さまが差し込む。
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ヨナ姫は、どのようなシチュエーションで、
ホテルにあらわれるのだろうか ──。
力を失った恋うさぎがまた美しい恋をして、
故郷に戻ってきてほしいと祈る星王であった。
No.2へつづく