No.15 モンテッキオの出逢い

 

🎶 小さな足音

《FM恋の深夜便》初のVIPゲストが
登場することになった。

ミス麗子、ただ一人のソウルフレンドと
言える女性である。

……………………………

ミス麗子はEUの
ショコラ大使として各国を周り、
帰国する前に
イタリアに立ち寄ったことがある。

イタリアの小さな村には、
ミス麗子が好きなものが揃っていた。

丘から川が見える場所、
オリーブ畑、
中世に建てられたレンガ造りの建物、

寄り添いながら
心豊かな日々を素朴に
生きている村人たち。

夜の銀座クィーンとして
華やかに生きているミス麗子が
決して自分を見失わない理由が、
イタリアの小さな村にあったのである。

Dr.れいは語ったことがある。

Dr.れい:イタリアの村には、
あちこちに弥勒菩薩半跏像さまが
いらっしゃいますよ。

菩薩さまはたくさんの愛をくださる、
きっと…。

カッシネッタ、ローベル、モンテラピアーノ、
モンテッキオほか、
100前後の美しい村々がありますよ。

ぼくが尊敬するある女性は、
時間を作っては
イタリアの村々を
訪れています。

ミス麗子:弥勒菩薩半跏像さまがイタリアに?

Dr.れい:はい。菩薩さま以外にも、
観音さまも、神さまも

いらっしゃるかもしれませんよ ──(笑)。

……………………

ミス麗子が訪れた
イタリアのどの村の人たちも、
幼いときから周りの人にもイヌにも、
愛を注いで育つ。

夜の銀座のように虚栄も、
奢りも、駆け引きもなく、
心の中は豊かで幸せだと、
美しい笑顔を
見せてくれたとか。

「こちらが愛を注げば、
相手も愛を見せてくれる。」

思いやりと優しさの愛しか
通用しないという。
村人はそう信じて幸せに生きていた。

村人とのおしゃべりから
ミス麗子は教えられることが少なくなかった。

7回目のイタリアの村旅で、
モンテッキオという
小さな村に立ち寄った。
早朝、オリーブ農園を散策していると、
品のいい女性から呼び止められた。

女性:日本の御方かしら?

ミス麗子:ええ。貴女も、
日本からでいらっしゃいます?

女性:いえ、リバティ島から風に乗って …、
フラッと(笑)。

ミス麗子:まぁ、
マンハッタンからわざわざ、ですか?
こちらの村に御縁がおありなんですの?

女性:〔美しい笑顔をみせながら〕
わざわざじゃないわ(笑)。
来たくて来たのですよ。
御縁…、ありませんわ(笑)。

縁というのは、進んで作るものでしょ?
待っていても、縁はできないもの。

ダ・ヴィンチ先生お誕生の地ヴィンチ村を訪れた時に、
この村のことを教えられましたの。

ミス麗子:ますます素敵!!
この村は素朴でいいですね。

失礼じゃなかったら、
私も、農園でお手伝いさせて
いただけない
でしょうか。
お近づきになれましたら嬉しいのですけど。

女性:もちろん、大歓迎ですこと!

〔早速農園のご主人にお願いをして、
作業衣に着替えるミス麗子〕

女性:動きがお早いこと!

ミス麗子:そうですか(笑)。

女性:似ているわ、私たち(笑)。

ミス麗子:とんでもありませんわ ──。

……………………………

〔午前中の作業を終えた二人は、
それぞれ宿泊所へ〕

別れ際に、女性が口を開いた。

女性:まだ名前を申し上げていなかったですね。
失礼しました。
わたくし、ミスグリーン、と言います。

ミス麗子:もしかして、
あの世界的な美空間アーチストの …?
お目にかかれて光栄です。

申し遅れました。
私はミス麗子と申します。

女性:好きなことをやってきただけでして。
貴女がミス麗子さん?
銀座のクィーンかしら ──。

ミス麗子:いえいえ、名ばかりで …、
お恥ずかしい限りです。

ミスグリーン:明日、フィレンツェで用事を済ませ、
ヴィンチ村へ周ろうと思いますの。
よろしければ、ダ・ヴィンチ先生が
愛された
ワインをご一緒にいかがかしら?

明日15日はダ・ヴィンチ先生のお誕生日でしょ。
お互いに、取り巻きも、
レポーターもいないようですし(笑)、
心ゆくまでワインを愉しみましょうよ。

ミス麗子:ゴージャス!!感激ですわ。
もちろん、喜んで伺いますわ。
ヴィンチ村といえば、
ある人の秘密が隠されているかもしれなくて …。

ミスグリーン:それは、ワクワクするお話しだこと。
じゃ、そのミステリーの謎解きをしにいきましょうよ。
これは愉しみだこと ──(笑)。

ミス麗子:確か、ミスグリーンは名探偵でしたね。
お手伝いくださいますか?

ミスグリーン:…(笑)

 

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