No.6 謎のショコラツリー
🎶 天使の夢
EUショコラ大使として
ヨーロッパを回り終えた
ミス麗子は、
束の間のお休みをとっていた。
ローマならぬ、
パリの休日である。
例年、バレンタインデイと
ホワイトディーを同時に
やってしまうミス麗子。
さてお相手は…?
銀座のクレオパトラ
と言われるだけあり、
一つや二つの
ミステリアスな秘密は
あってもおかしくない。
〔ホテルの一室で‥〕
ミス麗子:
今年は赤のランジェリーと薔薇、なの?
まぁ、真紅でマッチしていて素敵!
パリのバレンタインデーは、
赤のものが多いわね。
〔二人は甘く、熱いKissを繰り返し‥〕
ミス麗子:今夜は、朝まで甘えてもいい?
アルベール:もちろん。
でも麗子は美しいから、
今夜もドキドキしてしまいそう…。
ミス麗子:大丈夫よ。
殺さないから‥(笑)。
〔麗子は意味深な目をアルベールに向けた〕
その夜二人は何度も、
何度も愛し合った。
アルベールは優しく、
麗子を包みながら、
時々、息ができなくなるほど
強く抱きしめ、
Je t’aime (ジュ・テーム)と、
ささやいた。
……………
〔ホテルから見える朝のセーヌ川が美しい。
シーツを巻いた麗子は幸せを感じていた〕
アルベール:美しい眺めだ。
ミス麗子:朝のセーヌは素敵‥。
アルベール:いや、麗子、
美しいのは君だよ。
君より美しいものはないさ。
ちょっぴり照れるミス麗子を
愛しいと思った。
〔朝食をとりながら〕
アルベール:
君の国のバレンタインデーも、
世界の国々のように
お互いを祝い合うようになるといいね。
ミス麗子:同感だわ。
ショコラ商戦に
協力してばかりじゃなくネ。
女性はプレゼントされてこそ、
綺麗になるもの。
アルベール:そうだね。
ところで、君がオーダーしてくれた
マリアージュフレールの
オペラブルーの紅茶は最高だね!
ミス麗子:恋する紅茶、
っていうのよ。
元彼のDr.れいが、
アルベールはきっと気に入るからと
勧めてくれたの。
アルベール:Dr.は、
ぼくと感性は似通っている人だね。
一度、会いたいよ。
ミス麗子:いいわ。
彼は、貴方の建築作品に
敬意を抱いているもの。
さぁ、日本帰らなくちゃ。
今年も、
ショコラ三昧でしょうけど‥(笑)。
……………………………
2週間ぶりに銀座に
戻ってきたミス麗子は、
久々にに自分のお店に顔をだした。
〔チーママの葉月が上気して、
近づいてきた〕
葉月:麗子ママ、
ショコラツリーよ!
ショコラが数百個もありそう。
カードには、
「偉大なるミス麗子と
素敵なお嬢さんたちへ
オペラブルーより」
ですって──!!
みんな、感動しちゃって…。
オペラブルー って、
ママのお知り合いですか?
ミス麗子:いいえ、
存じ上げないわ‥??
それにしても、
まぁ、素敵なこと!!
お客様にも、
お裾分けをしてさしあげて。
……………………………
二人のことは
誰も知らないはずだし、
アルベールは
そんなことはしていないという。
ミステリアスな
バレンタインブレゼントである。
ミス麗子:
また調べてほしいことがあるの。
実は…。
友人、銀座探偵社の香子を尋ねた。
ミス麗子は、
謎のショコラツリーの話しをした。
オペラブルーとは、
一体誰なのか?
名探偵、香子の出番である ─。